柴野貞夫時事問題研究会 本文へジャンプ

 

(韓国 ハンギョレ紙 社説  2007年12月20日)

 

 

(イ・ミョンパクの)特別検察官捜査への発言に失望する

 

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/258283.html

 

 

 

○ 自身の疑惑追及をしている人に、脅しをかけるイ・ミョンパク

 

○ 道徳性に問題のあるイ・ミョンパクの得票は、ノ・ムヒョンの得票より少ない

○ イ・ミョンパクは、特検の関門を通らなければならない

 

(この中見出しは本文から)

 

 

 

 

イ・ミョンパク(李明博)大統領当選者は、昨日、“(BBK)特検(特別検察官)で無嫌疑が再び明らかになれば、(検察では、嫌疑なしの結果が出ているが、検察から独立した特検の捜査を前にして、検事総長のサムソン機密資金疑惑や、その後の物的証拠の出現で、イ・ミョンパク本人の嫌疑が深まった事を指す。-訳注)この問題を提議した人は、責任を取らねばならない”と語った。大統領当選者が、当選後の初日に言った発言であると言うのは、信じられない程で、剣幕が恐ろしい。さぞかし、(犯罪の疑惑追及に)悩まされたとしたら、そうなったんだろうが、大統領当選者が、真っ先に自身の身上問題をめぐって脅し文句を放つ姿は、なんとも見苦しい。

 

 

強いて、本人が言わなくても良い言葉だった。カン・ジェソプ、ハンナラ党代表は、すでにある放送社のインタビュウで、“ノ・ムヒョン大統領が国民統合のために、こんな法案に対して拒否権を行使してくれたらよい”と語った。この程度であれば、ハンナラ党と当選者の意中は十分に達成されたはずだ。そのようにして、当選者が、直接の報復を連想させる発言をすれば、今後進められる政権の引受引継ぎや、4月総選挙までの日程が心配だ。初記者会見で彼は、“和合と統合”を強調した。

 

 

BBK特検法は、最初、イ(李)当選者の意思によって、国会を通過した。自ら‘(BBKを)創立した’と自慢した、光云大での特別講義を録画した動画が流布されるや、16日夜の12時に緊急記者会見を通して、“汝矣島(ヨイドーソウルの国会議事堂など政府官庁が集中―訳注)式政治風土を放置しておいてはいけないと考え、特検を受けいれた。”と明らかにした。ハンナラ党が源泉封鎖(原因の元を断つことー訳注)を解かなかったら、特検法案は、今も処理することが出来なかった可能性が多い。大統領も彼(イ・ミョンパク)の意思を尊重して、特検を受けいれたと明らかにした。就任宣誓にもでているが、大統領の最も重要な責務は、憲法の受容と法の遵守だ。イ(李)当選者はやはり、この日の会見で法秩序確立を重ねて強調した。

2004年公務員の選挙中立義務を、違反したとして、ノ・ムヒョン大統領を弾劾したのは、ハンナラ党だった。

 

 

事実、BBK特検は、イ(李)当選者が大統領職を望んで遂行するためにも、必要な関門だ。かれは、圧倒的票差で当選したが、圧倒的多数が彼を支持したのではなかった。投票率は、歴代大統領選挙の中で最も低かったし、候補が乱立したとは言うが 彼の得票は、前回のノ・ムヒョン大統領の得票より少なかった。それはおそらく、彼の道徳性の物議(論難)と関連しているのだ。どれだけ特別な能力を持った指導者でも、道徳的に不信を受けたなら、指導力を発揮しにくい。特検は、こんな道徳的物議を解消する機会だ。彼はこの日も、重ねて無嫌疑の自信をのべた。そうだと言うなら、もっと避ける理由が無い。ハンナラ党はイ(李)当選者が、まるで特検を回避したいように見える虚身(道理に合わない態度)をしてはだめだ。(訳 柴野貞夫)